ブラジル代表に勝てれば優勝も現実的
なでしこジャパンは、すでに世界の頂点に立ちました。男子のサッカー日本代表も、目指すはワールドカップで優勝です。
実際、どの程度まで強くなれば優勝まで届くのか。もし、目安があるとしたら、ズバリ!
ブラジル代表と互角に戦えるか、が基準です。
ハードル高すぎぃぃぃ!と思ったアナタ。
あのブルワーカーの名言を贈ります。
「まったく・簡・単だ」
実は国同士の戦いでは相性がある
Jリーグ開幕以降、日本代表は順調に発展を続けていて、アジア大陸では強豪です。正確には、強豪というよりも、選手層の厚さからすれば、長らくナンバーワンの地位にいます。実際、大陸大会であるアジアカップでは、優勝をせずに途中で敗退すれば、失敗と見なされるほどです。
ところが、世界中の大陸の強豪が集う、ワールドカップでは、まだ強豪国とは見なされていません。グループリーグが突破できるか、どうか、という位置付けです。
ですが、今の日本は決して弱いチームではありません。欧州の強豪国とは、互角の試合ができます。アフリカや北中米のチームに対しての勝率も悪くはありません。南米のチームとの勝率は、やや分が悪いものの、勝利した試合も多いです。
チーム同士の相性という意味では、日本はブラジル代表が苦手です。逆に相性の良い相手は、東南アジアのチームです。
日本はブラジル代表が苦手
日本vsブラジル。日本vs東南アジア。この戦いは、ある意味似ています。
お互いの相関関係ですが、ゴール前の空中戦ではなく、地上での戦いを得意とするチーム同士です。日本と東南アジアのチームで対戦すると、日本の選手は、どのポジションでも、相手を1枚剥がすだけのテクニックを持っています。そして、ボールが相手に渡ってしまった瞬間、攻守の切り替えの早さで、素早く相手を囲みます。フィジカル面でも日本が優勢のため、相手側としては、打開するのは難しいです。
これと同じように、ブラジル代表と戦うとき、日本は打開策が少ない状態になります。まず、どこのポジションでも、相手に1枚剥がされ易いです。
これは、個々の能力というよりも、ブラジル伝統のジンガのリズムに対応できていない、のが原因です。ジンガとは、ゆれる・ふらふら歩くという意味がありますが、ここでは、ブラジルのサッカー環境で育った者にしか備わらない、独特のリズムだと思ってください。例えるなら、日本人がサンバのリズムで、サッカーをするのは、無理があります。かといって、日本の伝統的な踊りのリズム、例えば盆踊りなどを日本のサッカーに取り入れても強くはなりません。ジンガは、あくまでブラジル固有のものです。
一方、攻守の切り替えについては、ブラジル代表を相手にしても、日本代表はそれほど遅くはありません。むしろ、1対1の場面で、1枚剥がされてしまう。または、相手のスター選手に、個人で囲みを突破されてしまう。その状況が連続してしまい、相性の悪さにつながります。
日本の良さは、組織的な守備
日本の守備の特徴は、ディレイ(遅らせる)です。もはや国民性といって良いです。リスクを負わず、数的優位の状態にして、囲んでボールを奪います。
日本代表が、流れの中で失点するシーンは、相手が見事なプレーをして崩される場合もありますが、別のパターンもあります。守備陣は揃っていて、ほとんど崩されていないのに、中盤あたりから、アーリークロスを放り込まれて、相手FWの個人能力で、点を取られるパターンです。
アーリークロスの場合は、日本の組織的な守備の良さを消されたパターンです。日本はこれをされると、苦手な部分があります。
ただし、ブラジル代表に関しては、これらのパターンとは、違う失点の仕方をします。ブラジル代表は、日本の良さである組織的な守備を逆手に取ります。ディレイを続けていると、押し込まれてラインが下がります。そこへ、ミドルシュートです。本来、ペナルティエリア外は、シュートの入る確率は低めです。ところが、ブラジル代表は、他国と比べて、ここのシュート精度が高いです。ボランチやサイドバックあたりでも、良いシュートを放つ選手が沢山います。
打開しようと思っても、相手の方がフィジカルで上回るので難しいです。
相性という意味では、ブラジル代表は日本の天敵かも知れません。
過去の大会から、ブラジル代表対策を考える
過去のワールドカップで、ブラジルが敗れた試合を並べてみます。
2018ロシア大会 ブラジルvsベルギー
2014ブラジル大会 ブラジルvsドイツ
2010南アフリカ大会 ブラジルvsオランダ
2006ドイツ大会 ブラジルvsフランス
ブラジルを破るポイントは2点です。
まず1つ目は、フィジカル勝負で勝つこと。ブラジル代表の良さである、ジンガのリズムを激しくタイトな守備で、消すことです。データを並べてみると、体格の大きい選手のいるチームでかつ、一定水準以上の足元の技術が必要です。
日本の場合、体格で上回るのは難しいでしょうから、激しさを身に付ける必要があります。メキシコ代表や、南米の中堅国は良い例です。激しくタイトに行くことで、ブラジル代表の良さを消します。
2点目は、相手の焦りを利用するです。
ブラジル代表は、勝利を義務付けられた国です。ワールドカップのような大きな大会では、負けられないというプレッシャーがかかります。普段、強いので滅多に表面化することはないのですが、敗退を意識すると、焦りから自滅することがあります。
ブラジル代表を焦らせる展開まで、ゲームを進める。日本代表の場合、先制点をあげて、相手がギアを上げてきても、時間を経過させる技術が必要です。焦らすことができれば、勝利の芽も出て来ます。
まとめ
対ブラジル代表を中心にコラムを進めてきましたが、日本の苦手とするブラジル代表に、互角以上の勝負ができるようになれば、他国に対しては、それ以上の成果は期待できます。
日本代表の進化スピードは、世界の中でも驚くほど速いです。持続できれば、いつか、ワールドカップに手が届いても、不思議ではありません。サポーターとして、歓喜の瞬間が訪れてほしいと思います。