審判の判定に納得できない?!意外と知られていない判断基準の話

Referee コラム

たった1つの真実を見抜く、審判の瞳!(前編)

名探偵のコナン君。サッカー界に大きな貢献していますよね。だって、サッカーボールで犯人を捕まえまくってます。しかも、毎回スーパーシュート炸裂です!筆者の予想だと、そのうち全国の警察署に、防犯対策でサッカーボールが置かれるハズ!いや、すでに置かれています。カラーボールあるじゃないですか、小野伸二あたりなら、リフティングしながら、余裕で犯人にぶつけられると思います。

ギィーバッタン。(扉の閉まる音・CM後はお約束の本題に入ります)

たった1つの真実を見抜く、審判の瞳!(後編)

解説:「おっと、選手達がゴール前で交錯しましたー!」
観客:「今のプレーは、PKでしょ!PK!」

ピッチに立つ選手はもちろんのこと、観客の誰もが主審の判定に注目します。もちろん、応援しているチームであれば、声を荒げて主張するでしょう、今のは相手側の反則だ!と。

しかし、みなさんは、判定を下す基準についてご存知でしょうか。実は、ルールブックに従う前に、最重要の項目があります。

『審判の視界』です。

レフリーは、反則の確信を持たない限り、笛を吹きません。正確には、主審を含めた審判団の視界に反則が映らなければ、試合は続行となります。

これは本当に恐ろしい事実です。

砂ぼこりの舞う、風の強い日。もし、審判団の全員が、たまたま砂ぼこりで瞳を閉じていたら、なんと!ゴールすら認められません。えー、本当に!と思ったアナタ!!

本当です。

視界に映っているかどうかが、ポイントとなる、面白い映像があったのでご紹介します。24分ほどの動画ですが、注目して欲しいのは、7分ごろの主審と副審から見た映像です。

Jリーグ公式チャンネル
明治安田生命J1リーグ第19節 横浜FMvs浦和(2019年7月13日)
https://www.youtube.com/watch?v=ACp8FLYSLf8
(動画24分04秒)

ちなみに、日本のトップレフリー達が、上記の試合の判定を含めて、ぶっちゃけトークをしている動画がありました。3人のレフリーが座談会の形式で、コメントしているのですが、今回のコラムで一番おすすめの動画です。(というより、この動画の内容が今回のメインです。サッカーファン必見の動画です)

元Jリーガーの那須大亮さんの公式チャンネルです。
https://www.youtube.com/watch?v=6Rko4Wk_tSw
(動画34分29秒)

(動画の中で)判定の話題になっているのは、2試合あります。今回のコラムで、先ほど紹介した「横浜FMvs浦和」の試合と、もう1つ。今から紹介する「浦和 vs 湘南」です。こちらの動画は26分ありますが、正直、冒頭の映像シーンだけで十分です。というのも、明らかな誤審ですので「ああ、この試合のゴールシーンを話題にしているのか」で、こと足ります。

むしろ、日本を代表する3人のレフリー達の座談会で、この明らかな誤審を、どう解説しているかに注目しましょう。

Jリーグ公式チャンネル
明治安田生命J1リーグ第12節 浦和 vs 湘南(2019年05月22日)
https://www.youtube.com/watch?v=ab3mTdvcs-0
(動画26分45秒)(冒頭シーンのみなら、1分30秒まで)

動画紹介が中心になりましたが、話をまとめます。
審判の視界に映らなければ、ゴールですら判定されません。もちろん、反則も認められません。そういった意味で、VARは画期的な進歩になります。筆者個人の考えでよければ、テクノロジーはもっと早く、大胆に取り入れるべきです。日本はともかくとして、世界全体でみると審判買収の問題があります。それを防ぐためにも、早期にAIによる判定を実現して欲しいと思います。

サッカーで、プロの審判になる方法

険しい道のりです。まず狭き門だと理解してください。日々の仕事をしなくても、生活していけるほどの資産家であればともかく、給与面を考えると、一般人がプロ審判を目指すのは大変です。本業となる仕事の合間に、プロの審判を目指す形になります。

審判のライセンスは4級、3級、2級、1級と順番に取得していきます。審判としての試合経験が必要なため、昇級には相応の年数が必要です。また、誰でも昇級できるわけではありません。昇級の条件として、各都道府県・地域のサッカー協会の推薦も必要になります。

1級の資格を取得するのも大変なのですが、そこはゴールではありません。資格を取得後に、試合数の枠が定まっている、Jリーグ担当審判員に選ばれる必要があります。

実は、Jリーグで笛を吹いている審判の方々は、狭き門をくぐり抜けた審判のエリートです。その中でも特に、審判の方々が目指す場所があります。いわゆる、プロフェッショナルレフリーです。ひらたく言えば、日本サッカー協会と契約している、職業・審判です。

参考資料として興味ある方は、こちらもどうぞ。

2020 Jリーグ担当審判員リスト
主審58名 副審99名 VAR6名
JFA公式 サッカー審判員
1級 224名
2級 3,705名
3級 34,932名
4級 139,095名

御厨 貴文(みくりや たかふみ)1984年5月11日生まれ(36才)

今回のコラムで、注目のレフリーを紹介します。なんと、元Jリーガーのレフリーです。筆者の応援しているヴァンフォーレ甲府にも在籍していました!現役時代は、ザスパ草津、カターレ富山にも在籍。

元Jリーガーのレフリーは、ほとんど居ないです。実をいうと、今回のコラムを書くきっかけは、下の記事を読んだからです。プロサッカー選手は華やかな世界に見えますが、若くして引退する選手達の方が、圧倒的に多いです。引退後の受け皿をどうするのか、は難しい問題です。
この記事で知りましたが『(株)山愛』様は、アスリートのキャリアサポート事業を展開しています。このような貢献は、非常に素晴らしいです。サッカーファンとして感謝の気持ちを示します。本当にありがとうございます。

『(株)山愛』様
アスリートキャリアサポート
アスリートを支える、理念が素晴らしいです!